投稿日:2020年12月3日 | 最終更新日:2026年9月24日
むし歯・歯周病を繰り返す方の予防相談
「磨いているのに、またむし歯ができた」「歯ぐきの腫れを繰り返す」。そんな時は、磨き方だけを責める前に、お口の状態や毎日の習慣を一緒に確かめましょう。このページでは、薬剤を使う3DSの方法、期待できることと限界、費用を説明します。3DSが必要かどうかも含めて、続けやすい予防を相談できます。
3DS治療(除菌療法)とは?
3DSは「Dental Drug Delivery System」の略です。歯科医院でお口を清掃した後、歯に合わせて作ったトレー(マウスピース)を使い、薬剤を歯面に届ける方法です。お口の細菌をコントロールするための選択肢として、診察や検査の結果を踏まえて検討します。
むし歯や歯周病を繰り返す背景には、お口の細菌や歯垢だけでなく、唾液、食生活、清掃のしやすさなども関係します。まず原因を確認し、必要な治療、歯磨きや歯間清掃、食習慣、フッ化物の利用、定期管理などと組み合わせて、ご本人に合う予防計画を考えます。
3DSについては、唾液中のミュータンス菌が多い20人を対象に、清掃と薬剤入りトレーを併用して菌数の変化を調べた研究があり、菌数の低下が報告されています。一方、210人の小児を対象とした別の比較研究では、2.5年後の新しいむし歯の発生に、比較した3群の間で統計的に有意な差は認められませんでした。
対象者や薬剤、実施方法が異なる研究を、全ての方の結果にそのまま当てはめることはできません。「細菌が減ること」と「将来むし歯や歯周病にならないこと」は同じではないため、処置だけで予防が完了するとは考えず、その後の状態を確認しながらケアを続けることが大切です。
参考:Tamakiほか(2006年):3DSによるミュータンス菌の変化、Katsumuraほか(2007年):小児の3DS比較研究
次のようなお悩みや希望は、予防方法を見直すきっかけになります。全ての方に3DSが必要というわけではありません。お口の状態と治療の目的、使用する薬剤の適否を確認して、ご本人に合う方法を提案します。
- むし歯、歯周病になりやすい。むし歯や歯周病で苦労してきた方
- 細菌検査(唾液検査)の結果、虫歯菌、歯周病菌の比率が高い患者さん
- 生涯、自分の歯を保ちたい方
- 矯正治療やインプラント治療を始めようと思っている方
- お子さまのむし歯予防をきっかけに、ご自身のお口の健康も見直したい方
お子さまを迎える前から、ご家族のお口を健康に保つことも大切です。妊娠を予定している方、妊娠中・授乳中の方は、その旨を歯科医師にお伝えください。3DSを検討する場合は、使用する薬剤や体調に応じて実施の可否・時期を確認します。3DSによってお子さまへの細菌の伝播や、むし歯を完全に防げると保証するものではありません。
参考:日本小児歯科学会「乳幼児期における親との食器共有について」(養育者のお口の健康と子どものむし歯予防)
当院の3DSは自由診療で、費用は全額自己負担となります。ご本人に勧める理由や他の選択肢をご説明したうえで、開始前に検査・処置・薬剤がどこまで費用に含まれるかを確認します。内容に納得してからお決めください。
3DSの手順
〈むし歯予防・歯周病予防〉
カウンセリング
3DSの目的や必要性、進め方を分かりやすくご説明します。
PMTC+マウスピース製作
PMTCとは、専用の器具や機械を使って歯の表面を清掃する処置です。歯垢などを取り除いたうえで、薬剤を歯の表面に届けるためのマウスピースを作製します。清掃と薬剤による処置は役割が異なり、お口の細菌を全てなくすものではありません。
PMTC+3DS
再びPMTCを行い、その後マウスピースに薬剤を入れ、約5分間装着します。むし歯に関わる細菌を減らすことを目指しますが、効果は使用する薬剤やお口の状態によって異なります。実際の使用時間は、担当者の説明に従ってください。
ホームケア
ご家庭で約1週間、夜歯を磨いた後に殺菌消毒薬をマウスピースに入れて、約5分間お口に装着して作用させます。
PMTC+3DS
院内でPMTCと3DSをもう一度行います。
3DS料金表(税抜)
3DS: 料金合計一式 60,000円(税別)
~治療費内訳~
- マウスピース(上下2個)
- PMTC
- 3DS施術
PMTC、3DSはセットで2回行います。
詳しい内容は担当の歯科衛生士が説明いたします。
3DS治療(除菌療法)を六本松で相談する方へ
「丁寧に磨いているのに、むし歯を繰り返してしまう」「今ある歯を長く守るために、予防を見直したい」。そのような方は、これまでの治療や普段のお手入れについてお聞かせください。3DSを受けるかどうかを決める前に、お口の状態と繰り返す理由を一緒に確認します。
まず、ご自分のリスクと治療の目的を確認しましょう
むし歯や歯周病の状態、磨き残しや歯石、唾液、食事・間食の習慣などを確認します。細菌検査を行う場合も、数値だけで治療を決めず、診察結果と合わせて考えます。
「何を改善するために3DSを勧めるのか」「先に必要な歯科治療はあるか」「毎日のケアで見直せることは何か」を説明し、ご本人に合った予防計画をご相談します。
薬剤を使う前に伝えていただきたいこと
- これまでに薬剤や消毒薬で、腫れ・発疹などが起きたこと。
- 持病、服用中のお薬、妊娠中・妊娠の可能性・授乳中であること。
- お口の傷や痛み、マウスピースを入れたときの不快感。
- 今使っている歯磨き剤・洗口液や、他院で受けている治療。
使用する薬剤、使い方、起こり得る不調とその際の連絡方法を確認してから進めます。ご家庭で使う場合も、量や時間を自己判断で増やさず、医院の説明に沿って使用してください。
処置後も、続けられるお手入れと再評価を
3DSを受けた後も、お口の清掃や食生活の見直し、定期的な診察を続けます。「薬剤を使ったから終わり」ではなく、むし歯や歯ぐきの状態がどう変わったかを確認し、その後のケアを調整します。毎日の生活で続けにくいことがあれば、一緒に方法を考えましょう。
費用・通院回数は、内容を確かめてから決めましょう
必要な対応とその理由を説明したうえで、治療に含まれる検査・清掃・マウスピース・薬剤、通院回数、ご家庭で行うケアをご案内します。追加の診療が必要な場合の費用も含め、開始前に総額をご確認ください。
3DSの相談と関連ページ
医院の診療内容や連絡先は、六本松の歯医者トップページでもご確認いただけます。予約時には「むし歯を繰り返すため予防を相談したい」など、お困りのことをお伝えください。
3DS治療・除菌療法でよくある質問
3DS治療とは何ですか?
歯科医院で清掃した後、歯に合わせたマウスピースで薬剤を歯の表面に届ける方法です。受ける目的と期待できる変化、薬剤が使えるかを診察で確認します。むし歯を削って治す処置や、歯石を取り除く処置の代わりではありません。
3DSだけで虫歯や歯周病を防げますか?
3DSだけで完全に防げるとは言えません。歯みがき、歯間清掃、食生活、フッ素、定期メンテナンスと一緒に考える必要があります。
子どもにも使えますか?
年齢やむし歯のなりやすさに加え、薬剤が使えるか、マウスピースを安全に扱えるかを確認して判断します。お子さまには、歯みがき・仕上げみがき、年齢に合ったフッ化物の利用、食習慣の見直し、定期管理を含めて予防を考えます。ご家族に処方された薬剤を自己判断で使わせないでください。
歯周病にも関係しますか?
歯ぐきからの出血や腫れがある場合は、まず歯周病の検査を受けましょう。状態に応じて歯垢・歯石の除去や、歯ぐきの下の歯の根を清掃する処置などを行います。3DSを受ける場合も、必要な歯周病治療と毎日のお手入れを置き換えるものではありません。
どんな人が相談するとよいですか?
虫歯を繰り返す、家族で虫歯リスクが高い、予防を強化したい方は相談対象になります。