投稿日:2026年6月8日 | 最終更新日:2026年9月9日
「歯ブラシを口に入れると吐きそうになる」「歯磨き剤のにおいが受け付けない」。つわりの時期には、普段できていたお口のケアが難しくなることがあります。虫歯が心配でも、無理をして一度に全部磨こうとしなくて大丈夫です。今できる方法と、歯科で手助けできることを分けて考えてみましょう。
このページでは、ご自身で試せる工夫と、歯科・産科へ相談したい目安をご案内します。水分も保てない、尿が少ない、強いふらつきがある時は、歯磨きの問題だけと考えず産科へ早めに連絡してください。

歯磨きがつらい時は、何がきっかけかを確認しましょう
まず「歯ブラシが奥に触れること」「歯磨き剤の香りや泡」「朝の時間帯」など、どんな時につらくなるかを考えてみてください。原因となる刺激が違えば、試しやすい工夫も変わります。
- 歯ブラシが入りにくい時は、ヘッドの小さなものを試す。
- 朝が特につらい時は、比較的気分のよい時間に磨く。
- 一度に磨ききれない時は、休みながら、磨けるところから取り組む。
- 歯磨き剤がつらい時は、どの香りや泡で気分が悪くなるかを歯科で伝える。
「今日はここまでならできた」ということも、ケアを考える大切な情報です。毎日同じ時間・同じ方法にこだわらず、体調の変化に合わせて調整しましょう。
歯磨き剤やうがいは、どう使い分ける?
香りや泡の少ない歯磨き剤など、使いやすさを相談できます。フッ化物配合歯磨き剤による予防の利点も踏まえながら、実際に使い続けられるものを歯科で選びましょう。使うたびに強い吐き気が出る時に、同じ製品を無理に使い続ける必要はありません。
どうしても磨けない時は、水で口をゆすぐ方法があります。ただし、うがいだけでは歯に付いた汚れを十分に取り除けません。歯磨きの代わりとして長期間済ませるのではなく、体調のよい時に清掃を再開し、難しい状態が続く場合はご相談ください。
「高価な洗口液なら磨かなくても大丈夫」というものではありません。ご自身でいくつも道具を買いそろえる前に、何に困っているかを確認すると、必要なものを選びやすくなります。
吐いた後は、すぐに強く磨かないで
嘔吐すると、胃酸が口の中へ入ります。吐いた直後に歯を強くこすると、酸の影響を受けた歯の表面を傷めるおそれがあります。
まず水で口をゆすぎ、歯磨きは30分ほど時間を置き、体調が落ち着いてからやさしく行いましょう。頻繁な嘔吐の後に歯がしみる、歯の表面が気になるなどの変化がある時は、歯科で確認してください。
水分を飲んでも吐いてしまう場合は、口をゆすぐだけでは脱水への対応になりません。産科へ連絡し、体調そのものについて相談することが必要です。
食べづわりの時、食事を減らすべき?
空腹で気分が悪くなる方は、少量ずつ食べた方が過ごしやすいことがあります。歯のために無理な食事制限をするのではなく、まず食べられるものや水分を確保し、体調に合った取り方を産科で相談しましょう。
そのうえで、お口のケアでは、甘い飲み物を長時間少しずつ飲み続ける習慣などを見直します。食後すぐに磨けない時は水でゆすぎ、気分のよい時間に歯磨きをするなど、生活の中でできる組み合わせを考えます。
「これだけを食べれば赤ちゃんの歯が丈夫になる」と特定の食品やサプリに偏る必要はありません。食べられるものが限られている時の栄養については、産科にも状況を伝えてください。
歯科へ相談する症状と、産科へ連絡する症状
歯科で確認したいこと
歯の痛み、歯ぐきの腫れ、出血が続く、冷たいもので強くしみる、歯磨きが難しい状態が続く時は相談してください。虫歯だけでなく、歯ぐきの炎症や嘔吐による歯への影響なども確認する必要があります。
妊娠中の診療全体については、マタニティ歯科で相談できる内容でご案内しています。強い痛みや顔の腫れがある時は、予定の健診まで待たず連絡してください。
産科へ早めに連絡したいこと
飲食したものを保てない、尿が少ない・色が濃い、体重が減っている、立つと強くふらつく、発熱や腹痛、吐いたものに血が混じる時は、産科へ連絡してください。水分がとれず悪化している場合は、時間がたつまで我慢せず相談しましょう。
歯磨きの工夫は、つわりそのものの治療に代わるものではありません。「つわりだから仕方ない」と一人で耐える必要はありません。
受診時は「できないこと」もそのままお伝えください
予約の際に、妊娠週数、つわりの程度、比較的楽な時間帯をお知らせください。母子健康手帳や、使用中の薬が分かるものもご準備ください。横になるとつらい、においに敏感、長く口を開けられないということも、診療を考えるうえで大切な情報です。
スマイルライン歯科・矯正歯科六本松では、安心・安全を大切に、ご本人の体調とお口の状態に合った方法を考えます。必要なケアとその理由をご説明し、ご自宅で続けられる方法や通院の見通しを一緒に相談します。
お母さんのお口を守ることは、出産後の生活に向けた準備でもあります。体調が落ち着いたら、妊娠期から親子で続ける予防もご覧ください。お母さん一人で抱えず、ご家族と協力して取り組んでいきましょう。
参考資料:日本歯科医師会:妊娠時の歯やお口のケア、ADA MouthHealthy:妊娠中の食事と嘔吐後のケア、NHS:妊娠中の吐き気と嘔吐、ADA:妊娠中の歯科診療。
