投稿日:2026年6月8日 | 最終更新日:2026年9月8日
「気づくと口が開いている」「寝る時のいびきが気になる」。そんな小さな気づきは、お子さんの呼吸と口の育ちを見直すきっかけになります。口を閉じるよう注意する前に、鼻から楽に息ができているかを確認しましょう。
幼児の口呼吸は、鼻づまり、鼻やのどの空気の通り道、唇や舌の使い方などを分けて考えることが大切です。歯並びだけの問題と決めつけず、睡眠や食事の様子も一緒に相談してください。
- 鼻づまりや大きないびきが続く時は、耳鼻咽喉科・小児科へ。
- 口の閉じにくさ、噛み合わせ、口の乾燥やむし歯の心配は、小児歯科へ。
- 息が止まる様子や苦しそうな呼吸がある時は、歯科の定期健診を待たずに医療機関へ相談してください。

「ぽかん口」と口呼吸は、見た目だけでは決められません
唇が開いていることと、いつも口だけで呼吸していることは同じではありません。風邪で鼻が詰まった時だけなのか、体調がよい日にも続くのか、起きている時と寝ている時の違いを見ることが手がかりになります。
鼻が通りにくい子にとって、口を開けるのは呼吸するための対応かもしれません。「だらしない」「意識が足りない」と叱らず、閉じにくい理由を探すことから始めましょう。鼻とのどの問題と、口の機能の問題が重なる場合もあります。
先に相談したい、鼻と睡眠のサイン
鼻炎による鼻づまりや、鼻の奥のアデノイド・のどの扁桃が大きいことなどで、空気の通り道が狭くなる場合があります。アデノイドや扁桃が大きくても、必ず睡眠時無呼吸になるわけではありません。症状と診察を合わせて判断します。
- 体調がよい日も大きないびきを繰り返す。
- 寝ている間に呼吸が止まるように見える、息を吸おうとして苦しそうになる。
- 何度も目が覚める、首を大きく反らして寝るなど、寝方が気になる。
- 朝に起きにくい、日中の強い眠気や落ち着かなさが続く。
- 鼻づまりが長引く、食事や睡眠に支障がある。
これらがあれば、耳鼻咽喉科や小児科へ早めに相談してください。必要に応じて睡眠中の検査を行います。歯科の問診や口の写真だけで、睡眠時無呼吸の有無や重症度を確定することはできません。
今まさに息が苦しそう、唇や顔色が青い、呼びかけへの反応がおかしい場合は、予約や撮影より救急対応を優先し、119番へ連絡してください。
小児歯科で確認するのは、歯並びだけではありません
診察では、口が開く場面を伺いながら、唇を楽に閉じられるか、舌が休んでいる位置、前歯・奥歯の噛み合わせ、歯ぐきや口の乾燥、噛む・飲み込む時の様子を確認します。鼻や睡眠の症状がある場合は、他科での確認が必要かも整理します。
口呼吸と、前歯が出る・前歯が閉じない・上顎の歯列が狭いといった状態との関連は報告されています。ただし、歯並びには成長や骨格、舌・唇の働き、ほかの習慣も関わります。口呼吸だけを原因と決めたり、鼻呼吸になれば歯並びも必ず治ると考えたりはしません。
早く相談する目的は、全員に早く装置を使うことではありません。今取り組む必要があること、成長を見ながら確認すること、ほかの医療機関で先に調べることを明確にするためです。
受診前に見ておくと役立つこと
- いつから、どんな場面で口が開いているか。風邪や季節との関係。
- いびきの頻度、息が止まるように見えるか、途中で目を覚ますか。
- 朝の口の渇き、日中の眠気、食べにくさや飲み込みにくさ。
- 鼻炎などの診断、使っている薬、これまで受けた治療。
- ご家族が一番困っていること、本人が嫌がること。
安全に撮影できる時は、眠っている時の胸と顎の動き・呼吸音が分かる短い動画が、医療機関での相談に役立ちます。無理に撮る必要はなく、動画がなくても受診できます。撮影のために受診を遅らせたり、口や鼻をふさいで反応を試したりしないでください。
原因に合わせて、取り組む順番を決めます
鼻の通りが悪い場合:まず耳鼻咽喉科などで原因を確認します。鼻炎の治療やアデノイド・扁桃への対応などは、症状と診断に応じて医師が判断します。呼吸しづらい状態のまま、口を閉じる練習だけを増やす方法では進めません。
鼻から呼吸できても、唇や舌の使い方に課題が残る場合:口腔筋機能療法(MFT)など、口の使い方を練習する方法を検討します。年齢、理解、協力できることに合わせて目標を決め、家庭で行う内容と再評価の時期を確認します。
2025年の研究レビューでは、MFTで口の機能や習慣に改善がみられた研究がある一方、有効性を十分に確定する質の高い証拠は不足すると報告されています。「無意味」とも「必ず治る」とも決めつけず、その子の課題に合うか、実際に変化があるかを確かめることが大切です。
噛み合わせや顎の成長に治療が必要な場合:矯正の適応と時期を別に検討します。装置には目的や限界があり、すべての幼児の口呼吸に同じ装置が必要とは限りません。睡眠時無呼吸が疑われる場合、歯科装置だけで解決するとせず、医科での診断と連携して判断します。
家庭では、無理に閉じさせず口を守りましょう
就寝中に自己判断で口をテープでふさぐことは避けてください。鼻が詰まっている場合などは呼吸を妨げるおそれがあり、口を閉じれば原因まで解決するわけではありません。市販の装置や成人向けの方法も、そのまま幼児に使わず相談しましょう。
- 鼻づまりがある時は、診察で案内されたケアや治療を続けます。薬を自己判断で増減しません。
- 口が乾く時は、年齢に合った方法で水分をとります。甘い飲み物を少しずつ長時間飲む習慣にはしないようにします。
- 歯の生え方に合った歯磨き・仕上げ磨きと、適切なフッ化物配合歯磨剤でむし歯を予防します。
- 練習をする場合は、診察で確認した内容を、苦しさや痛みのない範囲で行います。できない時は叱らず、方法を見直します。
口呼吸による乾燥は口の不快感につながり、乾燥が続く口はむし歯にも注意が必要です。鼻や睡眠への対応と並行して、お口を清潔に保つケアを続けましょう。うがいが苦手な幼児に、大人用の洗口液やガム・あめで対応する必要はありません。
よくあるご質問
何歳まで待ってから相談すればよいですか?
口の開きや睡眠、食事が気になれば、幼児期から相談できます。永久歯が生えるまで待つ必要はありません。相談を始める時期と、矯正装置を使う時期は分けて決めます。
いびきがなければ、歯科だけで大丈夫ですか?
いびきの有無だけでは決まりません。鼻づまり、眠り方、日中の様子、口の状態を合わせて確認し、必要な受診先を考えます。
鼻の治療をしたのに、口が開いています。
鼻の症状が残っていないかを医師に確認し、歯科では唇・舌の働きや噛み合わせなどを見直します。前の治療が無意味だったと決めず、残っている課題を分けて相談しましょう。
六本松で、口の育ちと予防を一緒に相談
スマイルライン歯科・矯正歯科六本松では、安心・安全を大切に、お子さんが楽に食べ、眠り、成長していくために、口の状態からできる支援を考えます。「口が開くことを園で指摘された」「何科へ行けばよいか分からない」という段階でもご相談ください。
まずその子に必要な方法と推奨する理由、期待できる効果や不利益を説明します。そのうえで、保険適用・費用・通院や家庭での負担を分けて確認し、ご本人と保護者が納得して選べるように進めます。
診療案内は六本松の小児歯科・子どもの歯並び相談をご覧ください。予約時には「口が開いている」「いびきがある」など、気になる様子をお知らせください。
