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六本松の歯医者|MTAセメントによる歯の保存治療

    投稿日:2020年10月6日 | 最終更新日:2026年9月19日

    六本松の歯医者|MTAセメントによる歯の保存治療

    (Mineral Trioxide Aggregate)

    むし歯が深く、歯の中の神経(歯髄)に近い場合でも、神経を残せるかどうかを検討します。症状や検査結果、処置中に確認する歯髄の状態によっては、抜髄(ばつずい:神経を取り除く処置)が必要になることもあります。

    ご自身の歯を長く使うために、残せる神経を大切にすることと、必要な感染の治療を行うことの両方を考えます。MTAセメントは、歯髄を保存する治療で検討される材料の一つです。

    一方で、神経を取る治療が必要になっても、その歯を長く使える可能性はあります。神経の有無だけで寿命が決まるわけではなく、残っている歯の量やひび、感染の状態、治療後の詰め物・被せ物と日々のケアも大切です。

    MTAには複数の製品があり、歯髄を保護する処置と、歯の根にあいた穴を修復する処置では、確認すべき適応が異なります。「MTA」という材料名だけで、どの治療にも使える、すべて保険外になる、と決まるわけではありません。使用する製品と治療目的を確認し、勧める理由と費用をご説明します。

    3Mix・ドックベストセメントとMTAの違い

    「薬や材料を使って歯を残す治療」と紹介されることがありますが、3Mix、ドックベストセメント、MTAは同じものではありません。3Mixは複数の抗菌薬を組み合わせたもの、ドックベストセメントは銅を含む歯科用セメント、MTAはケイ酸カルシウム系の材料です。成分や働きが異なるため、単純に順番を付けて優劣を決めるのではなく、どの歯に、何の処置をするかを分けて考えます。

    MTAなどの材料は、歯髄を保護し、処置した部分を封鎖する目的で研究されています。材料を比較する研究も、乳歯か永久歯か、神経が露出した理由、覆髄か断髄かによって条件が異なります。ある研究で良い結果が得られていても、すべてのむし歯や根の治療に同じ結果を当てはめることはできません。

    スマイルライン歯科・矯正歯科六本松では、MTAセメントを使用した治療をご相談いただけます。神経や歯を残せる見通しを診察で確認し、その方法を勧める理由、ほかの選択肢、治療後の確認についてご説明します。薬剤・歯科材料でアレルギーが出たことがある方は、診察時にお知らせください。

    参考:米国歯内療法学会(AAE)の歯髄保存療法に関する見解(2021年・英語)

    MTAセメントとは?

    MTAはMineral Trioxide Aggregateの略で、ケイ酸カルシウムを主成分とする歯科用材料の一つです。水分と反応して固まる性質があり、歯髄の保護や歯の修復に用いられます。粉末と液を混ぜる製品と、あらかじめペースト状に調整された製品があり、成分や固まるまでの時間、使用目的は製品ごとに異なります。

    どんな治療に使われるの?

    深いむし歯で神経が露出しても、それだけで必ず神経を取ると決まるわけではありません。残せる歯髄の状態を見極め、保存する治療と根管治療のどちらが適切かを判断します。

    神経を残せる場合には、歯髄を保護する処置を検討します。感染や炎症の状態から根管治療が必要な場合は、根の中を清掃・封鎖し、詰め物や被せ物で歯を保護することが保存につながります。「神経を残すこと」と「その歯を長く使うこと」を一緒に考え、適した方法をご案内します。

    【MTAセメントの成分】

    ケイ酸カルシウム系の成分に、エックス線で材料を確認しやすくする成分などが配合されています。酸化ビスマスを含むものも、二酸化ジルコニウムを使うものもあり、すべてのMTA製品が同じ配合ではありません。

    【MTAセメントでできること】

    神経を残すための処置
    MTAなどのケイ酸カルシウム系材料は、露出した歯髄を保護する覆髄や断髄で用いられます。水酸化カルシウム系材料と比べ、良好な硬組織形成や臨床成績が報告されている点も、材料選択の判断材料になります。ただし、材料の性能だけで神経を残せると決まるわけではありません。

    穿孔した部分の修復
    歯の内部から外側へ穴があいた穿孔では、その部分を封鎖して歯の保存を試みる方法があります。穴の状態や周囲の感染、残っている歯の状態を確認し、修復の見通しを判断します。

    歯のひびや、根管治療後に症状が続く場合
    穿孔と歯のひび・破折は同じ問題ではありません。MTAで覆えば、割れた歯が元どおりにつながるわけではなく、ひびの位置や広がりに応じた判断が必要です。根管治療後の痛み・腫れ・膿についても、原因を調べ、再根管治療や外科的な治療など、歯を残す選択肢を検討します。保存が難しく抜歯が必要な場合もありますが、症状が続くことだけで抜歯と決めずにご相談ください。

    【MTAセメントのメリット】

    歯髄を保護する封鎖と、硬い組織の形成を支える性質
    MTAなどのケイ酸カルシウム系材料は、歯髄を保護する処置で使われ、保護層となる硬い組織の形成を支える性質が研究されています。歯髄の状態を見極め、適切な処置と修復を組み合わせることが大切です。

    水分と反応して固まる性質
    材料が固まるために水分を利用します。ただし、出血や唾液による汚染を気にせず使えるという意味ではありません。処置部位を清潔に保ち、必要な止血を行ったうえで使用します。

    抗菌性は治療を支える特性の一つ
    アルカリ性や抗菌性が報告されていますが、材料を置くだけですべての細菌がなくなり、治癒するわけではありません。感染への処置、材料による封鎖、その後の詰め物・被せ物と経過確認まで含めて治療を考えます。

    【MTAセメントのデメリット】

    • 変色する場合があります。
    • 費用は使用する製品や処置内容によって異なります。材料だけの金額ではなく、修復や経過確認を含む治療全体の費用をご確認ください。
    • 保険診療と自費診療の取り扱いは、製品と適応、治療内容によって異なります。
    • 根管内に入れた場合、固いので除去が困難になります。
    • 固まるまでの時間や操作のしやすさは製品によって異なり、材料に合った扱い方が必要です。

    根管治療後も改善しない歯を残すために

    根管治療を受けた歯の痛みや腫れが続く場合も、保存できる方法を検討します。根の中の感染や、詰め物・被せ物の状態、ひびなどを調べ、再根管治療ができるかを判断します。

    根管内に到達しにくい場合や、根の先の炎症・感染が続く場合には、歯根端切除術を検討することがあります。歯ぐきを開いて病変と根の先端を取り除き、必要に応じて根の先から封鎖する外科的な治療です。MTAなどの材料が用いられる場合もありますが、材料を追加するだけの処置ではありません。

    再治療や外科処置にはそれぞれ利点と負担があります。残っている歯や周囲の状態、以前の治療内容を確認し、見通しとほかの選択肢をご説明します。抜歯を勧められた方も、保存の可能性についてご相談ください。

    あらかじめ充填に適した粘稠度に調整された、ペーストタイプの水硬性セメント「エンドセム」治療費

    MTAセメント(保険外材料輸入品)1歯 1回 ¥25000(税込)

    神経を保護する処置と保険の取り扱い

    歯の内部から外側へあいた穴を修復することと、むし歯の処置で露出した歯髄を保護することは、目的の異なる治療です。神経を残すための処置についても、次のような違いがあります。

    露出した歯髄を材料で直接覆って保護する方法が「直接覆髄(ちょくせつふくずい)」です。一方、歯髄の一部を取り除き、残った歯髄を保護する方法は「断髄(だんずい)」と呼びます。両者は同じ処置ではありません。MTAなどの材料を用いる場合も、歯髄の状態、感染への対応、止血、処置後の封鎖・修復を含めて治療を行います。

    MTAを使う治療がすべて自費診療になるわけではありません。日本歯科保存学会・日本歯内療法学会の2024年版資料では、ProRoot MTAは、直接覆髄・部分断髄・断髄で露出した歯髄を封鎖する用途において保険適用の材料と整理されています。一方、保険適用となっていない製品もあるため、別のMTA製品や穿孔修復へ、そのまま当てはめることはできません。

    ご自身の場合にどの方法が適しているかを先に確認し、そのうえで使用する材料、保険の取り扱い、検査や詰め物・被せ物を含む費用をご相談ください。上の料金表は当院が掲載している自費診療の案内であり、MTA全般の保険適用を示すものではありません。

    参考:歯髄保護の診療ガイドライン(2024年版)「ProRoot MTA―薬機法の適応と保険適用―」

    MTAセメントによる穿孔症例の成功率

    穿孔(せんこう)とは、歯の内部と歯の外側の組織が穴でつながった状態です。MTAを使った修復は、こうした歯を残すために検討される方法の一つです。

    Menteらの2014年の研究では、MTAで穿孔を修復した64歯について、治療後12〜107か月(中央値27.5か月)に臨床所見とエックス線画像で評価し、86%が治癒と判定されました。追跡できた割合は85%であり、すべての治療例の経過が確認できたわけではありません。

    これは特定の医療機関で行われた穿孔修復の研究結果で、当院の成功率や、むし歯の神経を残す治療の成功率ではありません。ご自身の歯に同じ結果を保証する数値ではなく、診察で状態を確認したうえで、保存を試みる利点と難しい点を判断します。

    参考:Menteら(2014年)MTAによる歯根穿孔修復の長期成績(原著抄録・英語)

    まとめ

    スマイルライン歯科・矯正歯科六本松では、ご自身の歯をできるだけ長く使えるよう、神経を残す治療、根管治療、治療後の修復と管理をつなげて考えます。MTAを使うこと自体が目的ではなく、その歯に適した保存方法を選ぶことを大切にしています。

    MTAを用いた歯髄の保存や穿孔の修復が選択肢になる場合もあります。材料だけで結果が決まるものではないため、検査や処置中に分かる状態をもとに、期待できる効果と限界、ほかの方法をご説明します。

    説明の中にわからない言葉があれば、遠慮なくお尋ねください。治療を受けるか迷っている方も、気になることを一つずつご相談いただけます。

    スマイルライン歯科・矯正歯科六本松

    六本松で歯を残す治療をご相談ください

    「神経を取ると言われたけれど、残す方法はないだろうか」「治療した歯を抜かずに使い続けたい」。そのような時は、これまでに受けた説明と、ご自身の希望をお聞かせください。MTAを使うことを先に決めるのではなく、その歯を残すために必要な治療と、見込める効果・難しい点を一緒に確認します。

    神経を残す治療と、根の治療をした歯を残す治療

    同じ「歯を残したい」という相談でも、歯の中の神経が生きている場合と、すでに神経を取る治療を受けている場合では目的が違います。前者では神経を残せるか、後者では痛みや腫れの原因を調べ、その歯を使い続けられるかを考えます。材料名だけでは、ご自身にどの治療が合うかは決まりません。

    診察で伝えていただきたいこと

    • どの歯が、いつから、どのような時に痛む・しみる・腫れるのか。
    • その歯の神経を取ったことがあるか、詰め物や被せ物が外れたことがあるか。
    • 他院で説明された診断や治療方針。お持ちの検査資料があれば、相談時にお知らせください。
    • 服用中の薬、持病、薬剤や歯科材料へのアレルギー。
    • 治療で大切にしたいこと、通院できる日程、費用についての希望や不安。

    医学用語を覚えてから受診する必要はありません。「食事の時に響く」「冷たい物がしみた後もしばらく痛い」など、普段の言葉でお伝えください。

    検査と治療中の確認をもとに方針を決めます

    症状の経過、歯の反応、必要なエックス線検査などをもとに、神経や歯の根、周囲の状態を確認します。神経を残す治療では、処置中に見える歯髄の状態や出血の様子も判断材料になります。診察前に「MTAなら必ず残せる」と決めることはできず、処置中の所見やその後の経過によって、根管治療などへの変更が必要になる場合もあります。

    治療後の詰め物・被せ物と経過確認まで相談

    歯を残すための処置と、その歯で噛めるように修復することは、続けて考える必要があります。どのように詰め物・被せ物をするか、治療後に何を確認するかも含めて説明を受けましょう。六本松のセラミック・審美歯科ページでは、修復に使う材料についてご案内しています。MTA治療後にセラミックが必須という意味ではありません。

    費用は、MTAを使う処置だけでなく、検査・根の治療・詰め物や被せ物・経過確認がそれぞれ含まれるかをご確認ください。勧める理由や他の選択肢、治療が予定どおり進まなかった場合の対応も聞いたうえで、納得できる方法を選びましょう。

    MTAセメントによる歯の保存治療でよくある質問

    MTAセメントとは何ですか?

    深い虫歯や神経に近い処置で、歯を保存する目的で使われることがある材料です。適応は歯の状態により異なります。

    MTAを使えば神経を必ず残せますか?

    必ず残せるとは言えません。虫歯の深さ、感染の有無、痛みの状態、歯のひびなどを確認して判断します。

    根管治療と何が違いますか?

    根管治療は、炎症や感染のある歯髄・根管内を処置し、根の中を清掃して封鎖する治療です。すでに神経を取った歯の再治療も含みます。MTAは材料の名前で、神経を残す処置や穿孔の修復などに用いられるため、根管治療と単純に対立するものではありません。

    保険でできますか?

    処置内容や材料、適応により保険診療と自費診療の範囲が変わります。治療前に費用と選択肢を確認してください。

    歯を残したい時は早めの相談が必要ですか?

    痛みが強い、穴が大きい、詰め物が外れた状態を放置すると選択肢が狭くなることがあります。早めの確認が重要です。

    関連して相談できるページはありますか?

    予防メンテナンス、歯を残すための歯周病管理も確認できます。

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