投稿日:2026年6月8日 | 最終更新日:2026年9月9日
「子どもにも透明なマウスピースは使える?」「プレオルソとは違うの?」。小児矯正で使うマウスピースには、設計や目的の異なる装置があります。取り外せる見た目が似ていても、歯への働きかけ方や装着時間まで同じではありません。
大切なのは、まずお子さんの歯並びや噛み合わせを調べ、何を改善したいのかをはっきりさせることです。そのうえで装置の選択肢、使い方、続けるための支援を相談しましょう。

「マウスピース」という名前だけでは、治療内容は分かりません
透明なアライナーを順番に交換する方法
歯に合うように作った透明な装置を、計画に沿って交換しながら少しずつ歯を動かす方法です。歯並び全体を調べ、どの歯をどの方向へ動かすかを設計します。必要に応じて補助的な処置や別の装置を組み合わせることもあります。アライナーの仕組み(英国矯正歯科学会)
子ども向けの製品にはインビザライン・ファーストなどがあります。ただし、子ども向け製品があることと、お子さんの状態に適していることは別です。歯の生え替わりや噛み合わせを確認して判断します。インビザライン・ファーストの製品案内
プレオルソなどの機能的なマウスピース型装置
プレオルソは、既製の柔らかい装置を用い、噛み合わせや舌・お口周りの働きに着目する小児用の装置です。歯一本一本に合わせた透明なアライナーを何枚も交換する方法とは、設計が異なります。
当院のプレオルソの相談案内では、適応を考える時の確認点を説明しています。装置だけで口の働きや歯並びがすべて整うわけではなく、診察、必要な練習、家庭での使用、経過の確認を組み合わせます。
「予防矯正」という名称だけでも、使う装置や治療範囲は決まりません。勧められた方法で何を目指すのか、どこまで対応できるのかを確かめましょう。
使えるかどうかは、年齢だけでなくお口の状態から判断します
相談では、乳歯と永久歯の生え方、歯が並ぶ場所、前歯と奥歯の噛み合わせ、顎の成長などを確認します。歯ぐきや虫歯の状態、過去に歯をぶつけたことがあるかもお伝えください。
診断に必要な写真や画像検査、歯型・スキャンなどを検討し、今取り組む理由と、経過を見られる場合の理由を説明します。「何歳だから始める」「永久歯が全部生えるまで何もできない」と一律には決めません。
マウスピース以外の方法が適していたり、別の装置と組み合わせたりする場合もあります。すでに他院で説明を受けている方は、説明内容やお持ちの資料を共有してください。ご家庭だけで装置を選ぶ必要はありません。
装着時間は、装置ごとの指示を確認してください
透明なアライナーは、食事などで外す時間を除き、日中も夜間も長時間使う計画が一般的です。一方、プレオルソの製品案内では日中1時間と就寝中の使用が示されています。同じ「マウスピース」でも、片方の使い方をもう片方へ当てはめることはできません。プレオルソの製品仕様(フォレスト・ワン)
実際に使う装置の種類と、お子さんへの指示を歯科で確認してください。交換の時期、食事や運動の時の扱い、洗い方、保管方法まで聞いておくと、生活の中で続けやすくなります。
続けにくい時は「頑張りが足りない」で終わらせず、理由を一緒に探しましょう。装置が当たる、外れてしまう、学校で困る、管理が難しいなど、具体的に伝えてください。自己判断で交換を早めたり、使えなかった分を無理な使い方で取り戻そうとしたりせず、ご相談ください。
口呼吸やいびきは、歯並びだけの問題と決めつけません
口が開きやすい、鼻で息をしにくそう、強いいびきが続く、睡眠中に呼吸が止まるように見える場合は、その様子をお知らせください。舌や唇の使い方だけでなく、鼻や喉の状態などを調べる必要があることもあります。
小児の睡眠時無呼吸が疑われる時には、医科での評価と連携が重要です。歯科装置を使う場合も、歯並び・成長の評価を行い、医師と相談して位置付けを考えます。マウスピースを入れれば呼吸の問題が解決するとは限りません。小児の睡眠時無呼吸と歯科の役割(AAPD)
呼吸しづらいお子さんに、無理に口を閉じさせて練習を続けるのではなく、原因を確かめることを優先しましょう。
取り外せても、清掃と通院は必要です
取り外せる装置では、外して歯磨きができることが利点です。ただし、歯や装置に汚れが残った状態で使い続けると、お口の健康を損なうおそれがあります。歯と歯ぐきの確認、家庭での清掃、食習慣への配慮は矯正中も続けます。
装着を始めた時の違和感や歯の痛み、装置が当たることなど、困りごとが出る場合があります。痛みが続く、歯ぐきが腫れる、装置が壊れた時は連絡してください。ご家庭で削ったり、加熱して形を変えたりしないでください。矯正中のケアと連絡の目安(NHS)
目立ちにくいことや取り外せることは、治療にリスクがないという意味ではありません。選ぶ方法に伴う注意点と、お子さんに特に確認が必要な点を、治療開始前に説明します。
治療期間・費用と、その後の見通しも確認しましょう
成長や歯の生え替わり、装着状況によって、計画の見直しが必要になることがあります。初期の治療後に経過観察を続けたり、永久歯が生え揃ってから別の矯正治療へ進んだりする場合もあります。「今の装置だけで必ず終わる」とは言い切れません。
アライナーで歯を動かした後には、後戻りを防ぐための保定も必要です。装置を使う期間だけでなく、その後に何を続けるのかを確認しておきましょう。
費用を聞く時は、装置代だけでなく、検査・診断、調整や管理、装置の紛失・破損時、追加治療、保定にかかる費用も確認すると見通しが立ちます。具体的な金額と期間は、診察に基づいた計画とあわせてご説明します。
スマイルライン歯科・矯正歯科六本松では、安心・安全を大切に、まずお子さんに必要と考える診療とその理由を説明します。希望する装置がある方も、何を選べばよいか分からない方もご相談ください。利点と限界を知ったうえで、ご本人と保護者が納得できる方法を一緒に考えます。
